金失格のジャマイカ選手、CASに提訴へ 北京リレー
ドーピング違反により金メダルが剝奪(はくだつ)される北京五輪のジャマイカチーム。左端がカーター、右から2番目がボルト=ロイター
国際オリンピック委員会(IOC)が2008年北京五輪のドーピング再検査で陸上男子400メートルリレー優勝のジャマイカを失格とした問題で、選手の弁護士がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴える意向を示したとロイター通信が報じた。失格が決まれば、3位だった日本が銀メダルに繰り上がる。日本オリンピック委員会(JOC)は26日、「IOCから正式な通知がくれば、クリーンな選手を守る理念に従って対処する」としており、表彰式などが行われる見通しだ。
ドーピング再検査では、ジャマイカの1走ネスタ・カーターの検体から興奮薬、メチルヘキサンアミンが検出された。所属するクラブのヘッドコーチ、フランシス氏から疲労回復のサプリメントとして勧められたという。
ドーピング失格で順位の繰り上がった選手を顕彰することは、五輪の理念を示したアジェンダ2020に明記されている。JOCは、04年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げで銀メダルから繰り上がった室伏広治さんを大会1カ月後に表彰。横浜で開催された陸上大会で、同じ表彰台を用意して金メダルなどを授与した。昨年12月には、竹田恒和会長がIOC国際委員として、12年ロンドン五輪陸上男子50キロ競歩で7位まで繰り上がった森岡紘一朗(富士通)に表彰状を都内のホテルで手渡した。
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