福島・飯舘の焼却施設から硬貨855枚 交換し寄付へ
焼却施設から見つかった硬貨の説明をする井土俊輔さん(左)と菅野典雄村長=福島県飯舘村
原発事故で全村避難中の福島県飯舘村は25日、村内にある焼却施設の燃えかすから見つかった硬貨855枚のうち、判別できた2万5995円分を熊本地震で被災した熊本県益城町に寄付すると発表した。菅野典雄村長は「少額だが、被災地を思う気持ちを伝えたい」という。
焼却施設は2014年11月に本格稼働。一時帰宅した村民が自宅の片付けなどの際、ごみとして出した家具、衣類などを焼いている。タンスや衣服に硬貨が紛れていたとみられる。
見つかった硬貨は昨年8月、焼却施設の土地を所有する村が拾得物として南相馬署に届けられた。持ち主が現れず、昨年11月に硬貨の所有権を得た村は、硬貨を交換したり紙幣にしたりして、2月上旬にも益城町に贈ることを決めた。
施設を運営する「神鋼環境ソリューション」(神戸市)の現場責任者の井土俊輔さん(54)は「不燃物として捨てることもできたが、避難を強いられた村民のように硬貨もばらばらになってしまうのを看過できなかった」。作業員数人が手作業で拾い集めたという。(伊沢健司)
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