北朝鮮大使、マレーシア批判延々 高級車で病院乗りつけ
金正男氏の遺体が安置された病院前でマレーシア政府への抗議を報道陣に表明するカン・チョル駐マレーシア北朝鮮大使=17日午後11時40分、クアラルンプール、古谷祐伸撮影
北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)総書記の長男、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、駐マレーシアのカン・チョル北朝鮮大使が17日深夜(日本時間18日未明)、クアラルンプール市内の病院前を訪れ、正男氏の遺体の迅速な引き渡しを報道陣に訴えた。マレーシア当局による司法解剖の結果も認めない姿勢を示した。北朝鮮政府が事件についての立場を説明したのは初めて。
大使は外交官ナンバーの高級車で病院前に乗り付け、朝日新聞など現場にいた数社の報道陣の問いかけに「遺体を見に来た。引き渡すように何度も要請したが、彼ら(マレーシア政府)に断られている」と話した。病院が門を開けなかったため、さらにマレーシア政府への批判を約7分間にわたって報道陣に語ると、そのまま去った。
大使の説明によると、正男氏が死亡した13日、マレーシア警察から北朝鮮側へ「心臓発作で死亡した」と伝達があったという。「それなら、死因を特定するための司法解剖は要らない」と大使は報道陣に語り、北朝鮮側の許可や立ち会いのないままに解剖したマレーシア側を非難。「遺体を無条件ですぐに引き渡すよう強く求める」と訴えた。
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