諫早想定問答に農水相「言及控える」 改めて説明拒否
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の和解協議をめぐり、農林水産省が地元漁業団体幹部に組合員向けの想定問答を示していた問題で、山本有二農水相は10日、閣議後の記者会見で「交渉に支障を及ぼすなどの恐れがあり、言及は控えたい」と述べ、改めて事実関係の説明を拒んだ。会見での主なやりとりは次の通り。
――想定問答を示した事実はあるか。
現在、長崎地裁の訴訟指揮の下で和解に向けた関係者の交渉がきめ細かく行われている。3県(佐賀、福岡、熊本)の漁業団体との交渉に関わる内容を申し上げることは、漁業団体との交渉に支障を及ぼすなど、交渉当事者としての地位を不当に害する恐れもある。そうした意味で言及はできるだけ控えさせていただきたい。
――「交渉に支障を及ぼす恐れ」「訴訟当事者としての地位を不当に害する恐れ」とは具体的に何を指しているのか。
和解協議のもとでの漁業団体との交渉にかかる内容に触れざるを得なくなるので、そうした支障があると思っている。文書が存在しているか否かも含めて差し控えさせて頂きたい。
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