高梨沙羅の強さとは 足首の柔らかさ・ぶれない空中姿勢
ノルディックスキー・ジャンプ女子のワールドカップ(W杯)今季最終戦となる個人第19戦が12日、ノルウェー・オスロである。すでに2季連続4度目の個人総合優勝を決めている高梨沙羅(20)=クラレ=が今季10勝目、男女を通じて歴代単独最多となる通算54勝目に臨む。
高梨はW杯通算89試合目となった2月16日の第18戦(韓国・平昌)で、グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の持つ歴代最多の通算53勝に並んだ。その高梨の特長は、踏み切ってから上体を伸ばす時にひざがぶれないこと。だから、助走路に安定して力を伝えられ、素早く飛行姿勢に入れる。さらに足首が柔らかいため、助走姿勢を低く組める。
空中姿勢は、体幹を鍛えているため、ぶれない。陸上トレーニングでは重いものを上げず、力をつけないようにしている。重りの重さは変えず、スピードや動きの質を上げることを重視している。
着地で足を前後にずらし、両手を左右に広げるテレマーク姿勢はかつて苦手としていた。だが、脚部を中心に鍛えて上達した。飛距離が伸びたときに不安を残すものの、飛型点を稼げるようになった。(笠井正基)