看板落下、かに本家副店長に有罪判決 女性なお意識不明
２０１５年２月、札幌市の「札幌かに本家札幌駅前本店ビル」の看板が落下し、頭に直撃した女性が意識不明の重体となっている事故で、札幌地裁（金子大作裁判長）は１３日、業務上過失致傷罪に問われた副店長の加藤昇被告（４５）に罰金４０万円（求刑罰金５０万円）を言い渡した。
事故は１５年２月１５日午後２時ごろ、札幌市中央区で発生。金属製看板の一部（約２５キロ）が落下し、歩道を歩いていた札幌市の看護助手の女性（２３）の頭を直撃、女性は頭や首の骨が折れる大けがを負った。
公判では、加藤副店長が事故が起きる可能性を予見できたかどうかが争点となった。
検察側は、加藤副店長は事故の約２時間前、通行人から別の金属部品が落ちていると知らされていたと指摘。強風が吹いていた状況などから、他の部品も落下する可能性があると認識できたのに、歩行者に注意喚起をするなどの安全措置をとらなかったと主張した。
一方、弁護側は店の外装は本社が維持・管理を担当しており、加藤副店長に責任はないとした上で、通行人からの指摘の後、ビル外壁などを確認したものの部品が外れた箇所を特定できず、歩道に落ちていた部品は店の看板の一部と認識することは困難だったと反論。加藤副店長はさらに部品が落下する可能性を認識できず、過失はなかったとして無罪を主張していた。（坂東慎一郎）
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