佐賀県知事、玄海再稼働への同意表明 地元手続き完了

写真・図版九州電力玄海原発3、4号機の再稼働に同意すると表明する佐賀県の山口祥義知事=24日午後3時3分、佐賀市、福岡亜純撮影

 佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は24日午後、県庁で記者会見し、九州電力玄海原発3、4号機(同県玄海町)の再稼働への同意を表明した。これで地元同意の手続きは完了した。今後、原子力規制委員会の認可手続きや使用前検査などを経て、早ければ今夏ごろに再稼働する見通しだ。

原発の新規制基準ができて以降、再稼働への地元同意は九電川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に続き4例目。

山口知事は2015年の就任時から、安全性の確認と県民の理解を条件に再稼働を容認する考えを示してきた。安全性については、規制委が今年1月に新基準を満たすとして決定した審査書を、県が設けた専門家の部会で検証した結果を踏まえ、今月11日の県議会で「確認できた」と述べた。

県民理解については、13日に県議会が可決した再稼働同意決議を「重く受け止める」としていた。19日に九電の瓜生道明社長、22日には世耕弘成経済産業相と会談し、事業者の姿勢や国の責任を確認した。

原発が立地する玄海町の町議会と岸本英雄町長は2~3月に再稼働に同意した。だが、原発の30キロ圏は佐賀、長崎、福岡3県の8市町にまたがり、そのうち佐賀県伊万里市長崎県壱岐市など4市が避難計画への懸念などから再稼働に反対を表明している。また、佐賀県の市民団体が運転差し止めを求める仮処分を佐賀地裁に申し立てており、近く決定が出る見通し。

玄海原発は東京電力福島第一原発事故後、全国で最も早く再稼働の動きが進んでいたが、県民向けの説明の場に賛成意見を投稿するよう九電が関連会社員らに呼びかけた「やらせメール」問題が11年7月に発覚し、行き詰まった経緯がある。3号機は10年12月、4号機は11年12月に定期検査で停止してから動いていない。(浜田祥太郎)

ASAHI.COM

 

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