死にたくない、だから戦った 南スーダンの元子ども兵

写真・図版戦火を逃れて徒歩でウガンダへ逃れてきた南スーダン難民。約6割が18歳未満の子どもだ=12日、ウガンダ北部クルバ、三浦英之撮影

南スーダンで、無理やり戦闘に参加させられる子どもが後を絶たない。内戦に陥って以降、政府軍や反政府勢力に捕らえられた子どもの数は、推定約1万7千人。元戦闘員の子どもたちが暮らす保護施設を記者が訪ねた。(アルア〈ウガンダ北部〉=三浦英之

ウガンダ北部アルアから東方に四輪駆動車で未舗装道路を約3時間。数万人の南スーダン難民が暮らす居住区の一角に、鉄条網で保護された区域がある。南スーダンで政府軍や反政府勢力の戦闘員にさせられ、その後、ウガンダに逃げてきた子どもたちが暮らす保護施設だ。

南スーダンで戦闘が激化した2013年12月以降に設けられ、いまは数百人が生活する。施設の存在は秘匿されているが、許可を得て2人が取材に応じた。

南スーダン南部イエイ出身の少年(17)は昨年1月、親友3人と道を歩いていたところを拉致されたという。銃を突きつけられ、殴られ、目隠しをされて軍事拠点に連行された。

翌朝、「我々に加わって政府軍と戦え」と命じられた。拒否した親友の1人はその場で射殺された。命令に逆らえなくなった。

軍事訓練が始まった。茂みの中を腹ばいで前進し、自動小銃の扱い方を教わった。10回ほど政府軍への襲撃に参加させられた。茂みに身を隠し、銃の引き金を引いた。「親友2人が政府軍の銃弾に当たって死んだ。悲しかった。自分が何人殺したのかは覚えていない」と言った。

今年4月、夜警中に抜け出した。3日間歩いてウガンダ国境にたどり着き、保護された。「毎日、銃撃戦の夢を見る。人を殺したくなんかなかったけど、殺さなければ、自分が殺されてしまう。地獄のような日々だった」と話した。

ASAHI.COM

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