「ど根性ガエルの娘」はギャンブルに溺れた父との会話
「希望と勇気を伝えたい」と大月悠祐子さんが描いてくれた絵。父(中央)と大月さん(左)、母や弟たち=東京都千代田区、小玉重隆撮影
売れっ子マンガ家だった父の姿を、大月悠祐子(ゆうこ)さん(43)は覚えていない。記憶にあるのは、パチンコとマージャンに明け暮れ、無一文になって帰ってくる父だ。
父は1970年代に「ど根性ガエル」を連載した吉沢やすみさん(67)。シャツに張り付いた平面ガエルの「ピョン吉」が巻き起こす人情ギャグマンガは、アニメやドラマにもなった。
ど根性ガエルの連載が終わると、父はスランプに陥り、ギャンブルにのめり込んだ。負けて帰れば家の壁を蹴って破り、大月さんがあくびをしただけで「なめているのか」と激高した。
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