電通に罰金50万円の有罪判決 違法残業事件で東京簡裁

社員の違法残業を防ぐ措置を怠ったとして、労働基準法違反の罪に問われた法人としての広告大手・電通(東京)に対し、東京簡裁(菊地努裁判官)は6日、検察側の求刑通り罰金50万円の有罪判決を言い渡した。会社を代表して出廷した山本敏博社長(59)は9月の初公判で起訴内容を認めて謝罪しており、罰金刑が確定する見通し。

起訴状によると、電通では、高橋さんを含む社員4人が2015年10~12月、「36(サブロク)協定」で定めた上限を最大で月19時間超過して違法に働いていた。電通は違法状態に対し、必要な防止措置を取るのを怠ったとされる。

事件は、東京区検が7月、法人としての電通を労働基準法違反の罪で略式起訴したが、東京簡裁が非公開の書面審理だけで結論を出すのを「不相当」と判断し、正式裁判の開廷を決めていた。

9月22日にあった初公判で、検察側は電通の労務管理について、過去に労働基準監督署から違法な長時間労働を指摘された際に、残業時間の上限を労使で定めた「36(サブロク)協定」の上限時間を引き上げるなど「小手先だけの対応をした」と批判。違法残業をした社員が全社で一時、1400人前後に上ったとも指摘し、「社益を優先し、労働者の心身の健康を顧みない姿勢が引き起こした犯行だ」と訴えていた。(長谷文)

ASAHI.COM

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