ダイアナ・フィーバー、日英連携の「雰囲気に役立つ」
京都・二条城で行われたガーデンパーティーで、京都府などから贈られた振り袖をその場で羽織ってニッコリ=5月9日
1986年5月、新緑の美しい季節に英チャールズ皇太子夫妻はやってきた。ダイアナ妃の美貌(びぼう)とファッションは全国に「ダイアナ・フィーバー」を巻き起こし、華やかな王室外交を印象づけた。貿易摩擦が激しくなる中、政府が、日本の皇室と特に親密な英王室に対日批判の緩和を託した側面もあった。
ダイアナ妃は当時24歳。3歳と1歳の王子の母親だった。古典的な英王室のファッションを若々しく、気品のあるものに一新したといわれ、どこに行っても「歩く広告塔」と呼ばれるほどの注目度だった。
ダイアナ妃の来日は初めて。20日公開された外交文書では、「英国民一般の間の絶大な人気に鑑み、英国朝野に対するPR効果も甚だ大きいであろう」と駐英大使が述べていた。訪日直前には東京で主要国首脳会議(サミット)が開かれており、対日批判の急先鋒(きゅうせんぽう)だったサッチャー英首相と「緊密な連携を保つ」ための「雰囲気づくりにかなり役立つ」とも記されている。
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