停電の規模、阪神大震災に次ぐ「平成では圧倒的な災害」
信号が消えた交差点で車や歩行者を誘導する警察官=2018年9月5日午前9時32分、兵庫県西宮市前浜町、内田光撮影
「停電で長時間ご不便をおかけし、申し訳ありません」。関西電力の岩根茂樹社長は5日午前、大阪市の本店で会見を開き、深々と頭を下げた。
強風で電柱が倒れ、送電設備が壊れるなどして延べ約218万戸が一時停電。自然災害での停電では阪神・淡路大震災の260万戸に次ぐ規模で、岩根社長は「平成では圧倒的な災害」と述べた。8千人体制で復旧に当たり、中国、四国、九州各電力にも計240人の応援を要請したという。
病院でクーラー停止、トイレの水使えず
大阪府貝塚市の市立貝塚病院では、4日午後1時半ごろから約12時間にわたって停電。入院患者は約140人。非常用の自家発電はあるものの、クーラーが停止し、職員が病室の窓を開け、こまめに水分を補給して回った。80代の男性患者は「トイレの水が使えず不便で夜も暗かった」。病院の担当者は「日中まで停電が続けば厳しい状況だった」と話した。
大阪府岸和田市は4日、市内62カ所に避難所を開設し、最大で333人が避難。同市池尻町の八木市民センターでは6世帯14人が一夜を明かした。会社員男性(48)は自宅が停電してクーラーが動かず、長男(8)が体調不良を訴えたため避難所へ。「5日朝も自宅は停電したまま。復旧の見通しを早く知りたい」
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