「終わらないパンデミックはない」磯田道史さんと疫病史

 「この中には『閨(ねや)ごと(性行為)の規制』まであった。明治政府は旧幕府がやっていた生活細部への介入や指示を受け継いでいた。さらに、新政府は武力で成立した革命政権で、国民に何でも命令できると知っていたので、指示も具体的・現実的でした」

 一方、スペイン風邪が広がった大正期には、国が要請という形で「お願い」し、国民が自粛で「答える」という、現在の「自粛要請」につながる原型が見える。罰則付きの規則や都市封鎖がある欧米とは対照的だ。

写真・図版

拡大する流行性の感冒(スペイン風邪)により日本の総患者数が1千万人になったと報じる記事(1918年12月25日付朝日新聞紙面から)

 「日本は型を示して指示すると、みながそれに従うことについては、世界一です。細かく手本を見せると、大きな効果がある」

給付金の「大原則」

 磯田さんは、政府や自治体は「8割接触を減らして」ではなく、滋賀県が県民に実行を求めた県独自の「5分の1ルール」のように「5日の出勤を1日、50分の会議を10分に」など、具体的に示すのがコツだという。外から家に入る際の洋服の脱ぎ方や、家の中の重点的な消毒箇所(ドアノブや照明のスイッチなど)をマニュアル化することも勧める。

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