MRJ納入、2020年前後に 5回目の延期
三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機MRJの納入開始が、2018年半ばから2年程度先送りされることがわかった。開発が難航して、機体の大幅な設計変更が迫られたためだ。納期の延期は5回目で、当初予定から約7年の遅れになる。
親会社の三菱重工業の宮永俊一社長が23日に記者会見で発表する。関係者によると、安全性を高めるため、機体前方に集中していた飛行制御システムを前後に分散させることになった。また、地上試験機も1機が不具合を起こし、全日空に納入する予定だった量産タイプの初号機を、その穴埋めに回さざるを得なくなっているという。こうした事態に対応するため、納入延期が避けられなくなったと見られる。
MRJは客席数70~90席の近距離ジェット旅客機。世界の航空会社などから計447機(キャンセル可能分含む)を受注している。今回の延期により、格好のアピールの場と期待している20年の東京五輪に納期が間に合わない可能性も出てきた。3300億円程度とされる開発費も増加が必至で、事業の黒字化に向けたハードルも高まっている。
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