中国、腐敗摘発へ新機関 習政権、権力掌握進める狙い
中国の習近平(シーチンピン)指導部が、すべての公務員の腐敗行為を取り締まる新たな国家機関「国家監察委員会」を2018年3月に創設する方針であることがわかった。内情を知る共産党関係者が明らかにした。国務院(政府)などと同格で、各省庁や地方政府を厳しく監視する。習氏が進める反腐敗政策の集大成ともいえる組織で、習氏への権力集中が一層強まる可能性がある。
習氏は、深刻な腐敗を放置すれば国民の信頼を失い、共産党政権の存立にも関わると危機感を持ってきた。これまでの反腐敗闘争は党の中央規律検査委員会や、党中央が地方政府などに派遣する中央巡視組が中心的な役割を担ってきた。だが、規律委は党高官の摘発が中心で、巡視組もあくまで臨時的な手段。習氏が目指すのは党員に限らず、国家全体の腐敗行為を摘発する恒久的な機関だ。
国家監察委の対象は「公権力を行使するすべての公務員」。公務員には非党員も大勢いる。習指導部2期目が始まる今秋の党大会後に国家監察委を設け、国内の隅々まで権力掌握を進める狙いがありそうだ。
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