台湾総統、共和クルーズ氏と会談 中国は事前に拒否要請
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は8日、米テキサス州ヒューストンで、昨年の米大統領選で共和党候補の指名をトランプ次期大統領らと争った同州選出のクルーズ上院議員と会談した。クルーズ氏は会談後、中国が事前にテキサス州の議員に対し、蔡氏との面会を拒否するよう求める書簡を送ってきたことを明らかにした。
蔡氏は9日からの中米訪問の経由地として、ヒューストンに1泊した。蔡氏が昨年12月にトランプ氏と電話会談したことを受け、中国は、中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」政策を守るよう米側に求めている。それだけに、今回の会談で中国側がさらに反発を強めるのは必至だ。
クルーズ氏が会談後に出した声明によれば、蔡氏とは米国から台湾への武器売却問題や、経済関係の強化について話し合った。この際、米国と台湾を「二つの国家」と表現した。
また声明では、中国の総領事館から、蔡氏とは面会せずに「一つの中国」を順守するよう求める書簡を受け取ったことを明らかにした。クルーズ氏は「我々自身が、米国を訪れた人と会うかどうか決めるということを中国は理解すべきだ」とし、中国側の動きを牽制(けんせい)した。
蔡氏は中米からの帰路の13日にも、米サンフランシスコに立ち寄る予定で、トランプ次期政権の幹部と面会する可能性がある。(ワシントン=峯村健司)
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