韓国野党「安倍に10億円返そう」 首相の発言に反発
一時帰国した長嶺安政・駐韓大使=9日午後2時11分、東京・羽田空港、川村直子撮影
韓国・釜山の日本総領事館前に「少女像」が設置された問題で9日、駐韓大使が一時帰国した。安倍晋三首相が「誠意を示していただかなければならない」と像の撤去を迫った発言に韓国野党は猛反発。合意の履行を目指していた朴槿恵(パククネ)大統領は弾劾(だんがい)訴追されており、日韓の最大の懸案となってきた慰安婦問題で打開の兆しは見えない。
「安倍に10億円を返そう」。最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウサンホ)院内代表は9日、党の会議でこう訴えた。「(安倍首相は)韓国が日本を相手に詐欺をしたかのように言うが、韓国外相がこれに抗議すらできない、こんな屈辱がどこにあるだろうか」
「10億円」は日韓合意に基づいて韓国政府が設立した財団に対し、日本が政府予算で拠出したお金だ。安倍首相は8日にNHKで放送されたインタビューで釜山の少女像について問われ、「10億円の拠出をすでに行っている」と強調し、韓国側に「誠意」を求めた。
野党第2党「国民の党」の朱昇鎔(チュスンヨン)院内代表は9日、駐韓大使の一時帰国など日本政府の対抗措置を「外交報復」だと批判。「加害者である日本が被害者である韓国政府に、それも我が領土にある少女像を撤去しろというのは盗っ人たけだけしい」とこき下ろした。
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