「少女像」対立、米が仲介へ ケリー氏、電話会談を検討
韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が設置された問題をめぐり、日米韓の枠組みで問題解決を模索する案が10日までに浮上した。閣僚級を含む対話で3カ国協力の重要性を改めて確認する考え。ただ現時点で日韓両政府から解決に向けた具体策は示されていない。
日米韓関係筋によれば、この案は米国が主導している。ケリー米国務長官ら、今月20日のトランプ政権発足で退任する米高官が、離任を理由に日韓の両外相らと個別か3者で電話会談する案が検討されている模様だ。米国は6日にバイデン副大統領が、安倍晋三首相と黄教安(ファンギョアン)韓国首相(大統領権限代行)に個別に電話し、話し合いによる解決を促したばかり。
同筋は、米国の積極姿勢の背景について「トランプ新政権の発足が近づく中、日韓が歩み寄らないことにいらだっているようだ」と語った。
韓国政府内では10日現在、少女像を設置した市民団体と日本政府が話し合って妥協点を模索することを求める声が出るなどしており、政府として主体的に像の撤去に乗り出す動きはない。日米韓の枠組みで解決策を模索しても、慰安婦問題と他の懸案を切り離すことを確認する程度にとどまる可能性もありそうだ。(ソウル=牧野愛博)
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