恒例のキムチ作り行事、政治談義で白熱 韓国から宋永美

写真・図版1月1日、韓国大統領府(青瓦台)で韓国記者団らと新年のあいさつを交わした朴槿恵大統領(右から3人目)=大統領府担当韓国記者団による代表撮影

この冬もキムジャン(一冬分のキムチを漬け込む作業)の季節がやってきた11月。冬の間食べられるだけのキムチを漬けるため、両親が住む故郷・大田の自宅に、親族や知人ら10人ほどが集まった。外では初雪がふわふわと舞っていた。

テレビの画面には「150万人が集った」という朴槿恵(パククネ)大統領に対する抗議集会の生中継が流れていた。一日がかりの作業になるキムジャンでは毎年、いろいろな話題が飛び交うが、今回は様子が違った。

朴槿恵がかわいそうだ。過ちは犯したけれど、側近たちの扱いを間違えただけでしょう。ちょっとやり過ぎじゃないの」。70代の母の一言で、座が凍り付いた。30代の妹がいつもと打って変わって、事態がいかに深刻なのかということを真剣な表情で説明している。

今度は50代の知人が一言。「どういうわけか、大統領の顔や皮膚が、ずいぶんスベスベしているなあと思ってたんだ。注射が効いたってわけだ。俺も一度やってみたいもんだ」。朴大統領には、旅客船セウォル号沈没事故の当日に「美容整形をしていた」「化粧や髪のセットに1時間半かかった」といったうわさ(いずれも大統領府は否定)があったからだ。ひとしきり、みんなの間で化粧談義の花が咲いた。

高校教師の末妹は「生徒たちは、どうせ勉強したって成功しないんだと挫折感を感じているようなんだ」と話す。疑惑の中心にいるチェ・スンシル被告の娘は、名門・梨花女子大への不正入学などが問題となった。「特権階級」としての振る舞いがまかり通っていた現実は、多くの若者を失望させたようだ。

ASAHI.COM

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