東芝、主力の半導体を分社化へ 再建向け米社と出資交渉

東芝が主力の半導体事業を分社化し、他社からの出資を受ける方向で提携先のハードディスク駆動装置(HDD)大手、米ウエスタンデジタル(WD)などと交渉を始めたことが分かった。米国での原発事業で数千億円規模の損失を計上する見通しになったことを受け、一段と不安定になっている財務基盤の改善を図る狙いがある。早ければ今年度中にも合意を取り付けたい意向だ。

東芝は、半導体事業を原子力と並ぶ経営再建の柱に位置づけており、2016年3月期の売上高(HDDを含む)は1兆5759億円。スマートフォンなど向けのフラッシュメモリーの需要が好調だ。

巨額の損失計上に備えて半導体事業を分社化し、新会社の株式の一部を売却して得た資金で資本を増強する方針。フラッシュメモリーの生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)を共同で運営するWDや、投資ファンドなど複数の相手と交渉を始めた。

東芝は新会社の株式の過半を握り、半導体事業を主導する形は維持する。好調な事業を分社化することで、新会社が年間数千億円にのぼる投資資金を調達しやすくする狙いもある。新会社の新規株式公開(IPO)も、将来検討する。

東芝は一連の不正会計問題による赤字などで、財務の健全性を示す自己資本比率が7・5%(16年9月末時点)まで落ち込んだ。自己資本比率はさらに悪化する可能性があり、財務の改善が急務になっている。米国の原発事業の損失額は、16年10~12月期決算を発表する2月までに確定するとしている。

東芝は18日、半導体事業を分社し、WDから出資を受ける交渉に入ったとの一部報道について、「検討を進めていることは事実だが、現時点で具体的に決定した事実はない」とのコメントを出した。

ASAHI.COM

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