ハンセン病で「隔離」、望郷の絵筆 京都で45作品展示

写真・図版「遠足」(木下今朝義、1996年)。6歳で発病し、学校に通えたのは1年ほど。友達と一緒で楽しかった記憶をたよりに描いた。制作時は82歳=金陽会提供

たった一度の遠足、病を宣告された直後に見た夕日、ふるさとの山や海……。どれもハンセン病の隔離施設のなかで描かれた絵だ。「1枚の絵から想像をふくらませてほしい」。隔離の歴史や背景を考える「いのちのあかし絵画展」が京都市のしんらん交流館で開かれている。

絵画展は、真宗大谷派東本願寺)解放運動推進本部が主催。昨年12月の人権週間から2カ月間、熊本の国立療養所、菊池恵楓園の絵画クラブ「金陽(きんよう)会」から借りた油彩など45点を展示している。療養所のない地域で、まとまった形で本格展示されるのは珍しい。

「金陽会」は1953年に発足。専門的な指導は受けず、15人が思い思いに絵筆を握った。スケッチ会を開いたり、幼いころの思い出を描いたりしたという。「本当に生きるために描いてきた。みんなそうだったと思う」。17歳で施設に入った吉山安彦さん(87)は言う。

ASAHI.COM

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