ゴール下敷きで死亡、なぜ繰り返される 学校の安全は?

写真・図版男児が下敷きになったハンドボール用のゴール=13日、福岡県大川市一木の川口小学校、倉富竜太撮影

ハンドボール用のゴールが倒れ、福岡県大川市立川口小学校の4年生の男児(10)が死亡した事故は、ゴールが地面に固定されていなかったために起きた。同じような事故は過去にも起きていて、文部科学省は固定の徹底を通知していた。痛ましい事故はなぜ繰り返されたのか。

男児は13日午前、グラウンドでの体育の授業中に、ハンドボール用のゴールを使ったサッカーでキーパーをしていた。味方の得点を喜び、ネットにぶら下がった後に落下。そこにゴールが倒れ、下敷きになった。

大川市役所で記者会見した記伊哲也教育長らは、ゴールを固定していなかった学校の過失を認め、謝罪した。「授業中という学校の管理下、施設設備の管理については安全点検をしなければならない義務が当然ある。それができておらず、大変遺憾に思っている」

事故後、鉄製の杭3本が倉庫で見つかった。事故当時は外され、もともと杭を何本打っていたかも記録がなかった。さらに後方に打ち込まれた金具2本とゴールをロープで結ぶ仕組みだったが、ロープは2本とも切れた状態で、いつ切れたのかもわからなかった。

市教委の担当者によると、学校は、ゴールの固定を毎月確認すると決めていたが、昨年10月3日を最後に点検していなかった。そのときも、杭の状態はよく見ず、ゴールを揺らして固定されているか確認しただけだった。

市教委の下川慎司学校教育課長は「しっかりと固定されているか確認していなかった学校の過失。市教委には、学校への指導が徹底できていなかった過失がある」とし、「より具体的に点検方法を考えていかなければならない」と話す。市教委は月内にも専門家を交えた事故の調査委員会を立ち上げ、原因究明と再発防止の検討を進める。

ASAHI.COM

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