「ロシア巡視船を確認!」 間近に北方領土…哨戒に同行

写真・図版歯舞群島・水晶島付近にいたロシアの巡視船(右)と貨物船。望遠レンズでのぞくと、巡視船の船体に書かれた文字が見える距離だ=北海道・納沙布岬沖の珸瑤瑁(ごようまい)水道、神村正史撮影

7日は「北方領土の日」。日ロ首脳は昨年12月に共同経済活動に向けた協議を始めることで合意したが、本土最東端の納沙布岬北海道根室市)沖は今も緊張状態が続いている。極寒の海で哨戒活動をする根室海上保安部巡視船「さろま」に同乗した。

結氷する根室半島北側の根室港を避け、「さろま」は半島南側の花咲港から出港した。取材した1月17日の根室市最低気温は零下3・5度。この季節にしては暖かいが、海上では風速12~14メートルの北風が吹いていた。全長43メートル、180トンの船体が波高2メートルの海を25ノット(時速50キロ弱)で飛ぶように進む。波しぶきが激しく甲板を洗い、滴が凍っていった。

納沙布岬沖の「中間ライン」付近には40分ほどで着いた。窓からは歯舞群島・貝殻島の灯台がすぐそばに見える。2006年にカニかご漁船がロシア側に銃撃され、甲板員が死亡した現場近くだ。

根室市によると1946年以降、北方領土周辺海域で日本漁船1341隻が拿捕(だほ)された。9502人が捕らわれ、死者は31人にのぼる。

「ロシア警備当局の巡視船を確認」との声が操舵(そうだ)室に響き、山口信次船長が双眼鏡をのぞいた。5キロほど先の歯舞群島・水晶島付近に青い船体のロシア警備当局の巡視船がいる。そばにはロシアの貨物船とみられる船も。保安官の1人がすぐに甲板に出て記録写真を撮った。

ASAHI.COM

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