安保・貿易「口約束していたら…」 ゴルフ外交の危うさ
トランプ大統領(右)とゴルフコースを歩く安倍晋三首相=11日、米フロリダ州・パームビーチ、内閣広報室提供
米フロリダ州のリゾート地で、5時間にわたってゴルフを楽しんだトランプ米大統領と安倍晋三首相。リラックスした雰囲気の中で互いをよく知ることができたというが、危うさを指摘する識者もいる。
「トランプの気配りが表れたのではないか」。米ツアーを20年以上取材し、トランプ氏と「4回ほど会話した」という在米ゴルフジャーナリスト、舩越園子さんはこう話す。
両首脳は現地時間の11日午前、トランプ氏が所有する「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ジュピター」で、世界ランク1位の経験もあるプロゴルファーのアーニー・エルスらと18ホールを回った。午後はもう一つの「トランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ・パームビーチ」に移り、2人だけで9ホールをプレーした。
舩越さんによると、午前の「ジュピター」は「帝王」と呼ばれたジャック・ニクラス氏が設計した難コース。午後のコース「パームビーチ」も米女子ツアーが開催されたほどの会場だが、全27ホールのうち九つは「あらゆる技術レベルのゴルファーが楽しめる接待向けのコース」という。「想像だが、難コースで苦しんだ安倍首相の気分を良くするために、トランプが気を配ったのでは」
午後のパームビーチは、トランプ氏が初めて所有したゴルフ場で、昨年末にはプロゴルファーのタイガー・ウッズともプレーしたといい、舩越さんは「安倍首相はそれだけ大事な存在として厚遇されたのではないか」とみる。
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