松井五郎がつなぐ震災への思い 復興応援曲に詞

写真・図版作詞家の松井五郎=東京都千代田区、早坂元興撮影

ビリー・バンバン「また君に恋してる」や、光GENJI「勇気100%」などで知られる作詞家の松井五郎が、バイオリニスト葉加瀬太郎作曲の「ひまわり」に詞をつけた。岩手、宮城、福島の小中高生から募ったアイデアをもとに、幸せへと向かって咲く希望の歌を書き上げた。3月29日、福島県郡山市である「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」(主催・三菱商事、福島放送、朝日新聞社)で初披露される。

「ひまわり」は震災時のNHK連続テレビ小説「てっぱん」のテーマで、もとは歌のない器楽曲だ。復興の応援曲として弾き続けてきた葉加瀬が、旧知の松井に作詞を依頼した。

応募は45件。中にはひらがなの多いはがきや、原稿用紙18枚につづった物語もあった。震災前の日常を克明に描いた詞もあり、松井は「最初にどうしようかと思ったのが、彼らが経験した恐怖感だった」と振り返る。「家が壊れたり人が亡くなったりという描写は、このメロディーに似つかわしくない。ただ、この歌が生まれたように、あの震災は人が集まる原点になっている。冒頭の2行は海のシーンが出てくるが、そこで歌の背景を感じてもらえれば」と話す。

震災後、音楽業界でも自粛ムードが広がる中、松井は精力的に詞作を続けた。「誰かを救うとか、誰かのためというよりも、自分の覚悟、心の置き方を決めたのかもしれない。僕一人の力なんて微々たるものだけど、自分にできるのはどういうことなのか、と」

ASAHI.COM

 

 

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