正男氏暗殺を防げなかった中国 外交カード失い痛手か
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キムジョンナム)氏は、5年前に中国・北京で暗殺未遂事件にあっていたが、それでも国際空港という公衆の面前での暗殺を防げなかった。正男氏を事実上保護してきた中国には「外交カードを失った」との見方もある。
中国政府関係者によると、正恩氏が権力を掌握した2012年、北京に滞在していた正男氏を襲撃する暗殺未遂事件があったが、中国の警察が阻止したことがあったという。
正男氏と家族は北京やマカオに滞在し、中国当局はそれを受け入れてきた。「金正恩氏に万一のことがあれば、血縁を重んじる北朝鮮では後継者になる可能性も残っており、彼を保護することは北朝鮮への牽制(けんせい)にもなっていた」。外交担当の中国紙記者はそう分析する。それだけに、13日のマレーシアでの殺害は「中国は経済支援と並ぶ数少ない外交カードを失った。大きな損失だ」と語る。
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