映画監督の鈴木清順さん死去 「ツィゴイネルワイゼン」

写真・図版鈴木清順さん(2005年5月16日撮影)

「けんかえれじい」「ツィゴイネルワイゼン」など個性的な美学に貫かれた作品で知られる映画監督の鈴木清順(すずき・せいじゅん、本名清太郎〈せいたろう〉)さんが13日午後7時32分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため、東京都内の病院で死去した。93歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻崇子さん。元NHKアナウンサーの鈴木健二さんは実弟。

東京生まれ。学徒出陣で応召。復員後の48年、旧制弘前高校を卒業し、松竹に入社する。54年、製作を再開した日活へ移籍し、56年に歌謡映画「港の乾杯 勝利をわが手に」で初監督。赤木圭一郎和田浩治宍戸錠ら人気男優を起用したアクション映画で、華麗な色彩や斬新なカメラアングルなどの映像美を見せた。

「けんかえれじい」(66年)では、高橋英樹を主演に、けんかに明け暮れる旧制中学生の硬派な青春を、痛快かつユーモラスに描いた。翌年の「殺しの烙印」では、当時の日活社長から「わからん映画ばかりつくられては困る」と言われ、日活の専属契約が解除される。この処分と日活側のフィルム貸し出し拒否をめぐり、「鈴木清順問題共闘会議」が設立され、裁判に発展した。この間、77年の「悲愁物語」まで映画が撮れない時期が続いた。

ASAHI.COM

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