最大規模…大麻草1万本を栽培か 暴力団幹部ら再逮捕へ
岐阜県揖斐川(いびがわ)町の倉庫で乾燥大麻を販売目的で所持していたとして、岐阜、奈良両県警が、指定暴力団東組系幹部ら男4人を大麻取締法違反(営利目的共同所持)容疑で現行犯逮捕していたことが、捜査関係者への取材でわかった。倉庫では約1万本の大麻草を栽培しており、両県警は同法違反(営利目的共同栽培)の疑いでこの4人を再逮捕する方針。
奈良県警は昨年10月、和歌山県かつらぎ町の建物で乾燥大麻を所持した疑いで東組系幹部の別の男らを現行犯逮捕し、大麻草1万1167本を押収。さらに11月には大麻草24本を栽培した疑いで再逮捕し、密売目的で大量栽培していたとみて、販売ルートの解明などを進めていた。
捜査関係者によると、この捜査の過程で、東組系のほかの幹部が岐阜県揖斐川町の倉庫で同様に大麻草を栽培していることが判明。今月9日、幹部ら4人を同法違反容疑で現行犯逮捕した。
倉庫は標高1千メートル以上の山のふもとにあり、鳥の声や沢のせせらぎが聞こえるような環境。平屋建ての2棟続きで、窓はカーテンが閉め切られ、外から内部が見えないようになっていた。
捜査関係者によると、屋内では大麻草の苗木を水耕栽培しており、収穫した大麻草を乾燥させる作業場もあった。押収した大麻草の一部には、栽培が難しいものの、幻覚作用が強く高値で取引される「バッズ(花穂)」と呼ばれる部分もあったという。
捜査当局によると、和歌山県の事件で押収された大麻草は、記録が残る2004年以降で全国最大の規模といい、成長した約4千本の推計末端価格は約20億円に上る。今回の岐阜県の事件はこれに匹敵する押収量となる。
捜査幹部は「近年、危険ドラッグを扱う店の摘発が相次ぎ、手に入りやすい大麻が若者を中心に広がっている恐れがある」と指摘している。
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