毒と知りつつ正男氏襲撃か 直後に手洗い、マスク

写真・図版ドアン・ティ・フォン容疑者。警察が19日に公開した

北朝鮮金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏を殺害したとして逮捕されたベトナム国籍の女が、事件直後に急いで手を洗ったり、顔をマスクで覆い隠したりしていたことが、目撃者らへの取材で分かった。マレーシア警察当局もこうした行動を把握しているとみられ、女に犯意があったとみている。

殺害の実行犯として15日に逮捕されたドアン・ティ・フォン容疑者(28)。警察の調べに対して、「いたずら番組への出演を誘われた」「撮影だと思った」と供述しているという。警察は、フォン容疑者が13日にクアラルンプール国際空港で、正男氏の顔に手で毒物を塗りつけた一人とみている。

空港のカメラ映像を見た関係者などによると、フォン容疑者は事件直後に小走りでトイレに向かい、手を洗浄。空港からタクシーで宿泊先のホテルに戻り、事件から約2時間半後にチェックアウトしていた。

その後、空港近くの別のホテルを訪れて10泊分を予約。ホテルのロビーにあった監視カメラに気づくと、慌てて持っていたぬいぐるみで顔を隠したという。

また、15日に逮捕されるまで、1日数回ホテルから外出したが、常にマスクで顔を覆っていたという。女性従業員は「髪の毛が自分で切ったようにふぞろいで、少し変わっていた」と振り返った。

ASAHI.COM

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