人気の移住先、3位静岡・2位長野 1位はあの県
NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京都千代田区)は東京都や神奈川、埼玉県など首都圏に住む人に希望する移住地域を聞いたランキング(2016年)を発表した。山梨は前年、「ライバル」の長野に奪われた首位を2年ぶりに奪還した。
ふるさと回帰支援センターは、東京・有楽町の「ふるさと暮らし情報センター」で移住を考えている人に全国各地の情報を提供している。昨年の来場者6777人に移住を希望する都道府県を尋ね(複数回答)、ランキングにまとめた。
山梨は14年に初めて首位となり、今回は2年ぶり。11年から3年連続1位で、15年にも1位だった長野が2位、静岡が3位だった。その後は広島、福岡、岡山、大分と続いており、西日本の人気がうかがえる結果となった。
ふるさと回帰支援センターによると、上位3県に共通する特徴は中高年からの人気が高いこと。山梨への移住希望者の年齢別内訳は、30代以下が34・0%で全国平均(45・9%)を下回るのに対し、60代以上は25・2%で全国平均(15・7%)を約10ポイント上回った。長野、静岡にも同様の傾向が見られるという。
それに対して4位以下の西日本を希望する人の半数以上は20~40代だという。嵩(かさみ)和雄副事務局長は「若年層は距離にこだわりがない一方、中高年は遠くに行きたがらない。東京から近いことが選ばれる理由の一つだろう」と分析する。
山梨は13年に2位に浮上し、以後、長野と首位を争う。首位奪還は昨年11月、山梨のほとんどの市町村が参加する「オール山梨移住セミナー&相談会」を東京で開いたことなどが効果を上げたとみられるという。
山梨は今後、子育て世代へのPRにも力を入れる。県地域創生・人口対策課の宮崎正志課長は「横綱のような存在の長野に競り勝てたことは励みになる。今後も謙虚に、着実に一歩ずつ取り組んでいきたい」と話した。(北見英城)
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