正男氏遺体から猛毒VX検出 マレーシア警察
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア警察は24日、正男氏の遺体から猛毒の化学剤「VX」の成分が見つかったと発表した。神経に作用し、微量でも体に吸収されると死に至る可能性が高い毒物で、正男氏が毒殺されたことが確実になった。
VXは化学兵器禁止条約で製造、保有、使用が禁止されており、調達には組織的な関与が必要とみられる。正男氏殺害をめぐっては、北朝鮮国籍の男8人が関わった疑いが浮上。この中には在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官も含まれ、北朝鮮の工作機関が犯行を主導したとの見方が強まった。
マレーシア警察は死因特定のため、15日に司法解剖を実施し、遺体から細胞や付着物などを採取。毒物が含まれていないか詳しく調べた結果、正男氏の目の粘膜や顔の表皮からVXの成分が検出されたという。
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