世界の半分しか見えぬ男好演 池松壮亮「純粋さを前に」

写真・図版ベルリン国際映画祭の会場近くで気球に乗った池松壮亮さん=伊藤恵里奈撮影

ベルリン国際映画祭に招待された俳優・池松壮亮さん(26)

極寒のベルリンの空にふわりと浮かんだ気球から、石井裕也監督と2人並んで夕暮れの街を眺めていた。

石井監督の「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(5月公開)に出演し、ドイツベルリン国際映画祭に招待された。会場近くにあった観光用の気球が気になっていた池松自身のリクエストで、この取材場所になった。

映画祭では何度か舞台に立ち、観客の感想をきいた。「映画が表現としてまだ成立していると感じられて楽しかったです」

石井監督が原作である最果(さいはて)タヒの詩集を読んだときに思い浮かべた、「世界の半分しか見ることを許されない男」慎二を池松が演じる。慎二は東京の建設現場で日銭を稼ぎながら、古アパートで一人暮らしをしている。左目がほとんど見えない。その障害を、何が正しいのかわからないことだらけで見通せない、いまの世の中の暗喩として役と絡めた。

「難しくて自分に演じられるのか考えましたが、純粋なものを前に前に出していけば、慎二が見えてくると思いました」

ASAHI.COM

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