路上で銃撃「工藤会による見せしめ」 被害の元警部証言
指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとされる一連の事件で、2012年に銃撃された福岡県警の元警部(65)が1日、元工藤会系組幹部の公判で検察側証人として出廷した。自身が狙われたことについて「工藤会による見せしめだと考えている」と述べた。元警部が法廷で証言するのは、事件後初めて。
証言によると、元警部は約40年前から工藤会捜査を担当。工藤会トップで総裁の野村悟被告(70)ともその頃から面識があった。
09年に情報収集のため工藤会の元組員と会った際、野村被告を非難する発言を録音された。これが野村被告の手に渡り、直後に会った時に「最後になって悪いもん残したな」などと言われたという。
その後も最高幹部との間でトラブルがあり、検察側によると、11年3月の定年退職後を狙って野村被告らが襲撃を準備。12年4月の朝、北九州市小倉南区の路上を歩いていると、バイクに乗ったフルフェースの人物に銃撃された。
腰と足を2発撃たれた元警部は1カ月入院。5年近くたった今もしゃがんだり走ったりすることはできず、行動範囲も狭くなったという。元警部は「事件後は家族も恐怖で買い物にも行けなくなった。自分たちの意に沿わない者への見せしめ的な犯行で、厳重に処罰してほしい」と述べた。
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