米、北朝鮮外務省高官のビザ発給認めず 正男氏殺害で
北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)米州局長が、米ニューヨークを訪れて米国の専門家との意見交換を希望したが、米政府がビザ発給を認めなかったと、米韓関係筋が明らかにした。金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件が影響したという。1日から米韓合同軍事演習も始まったため、米韓両政府は北朝鮮の反応を注視している。
同筋によれば、北朝鮮は1月半ばに米政府に対し、崔氏らの入国ビザの発給を申請した。3月1、2の両日、ニューヨークで米側の元当局者や専門家らと意見交換するのが目的だった。
これに対し、米側もトランプ新政権に対して北朝鮮がどのような姿勢で臨むのかを知る好機と判断。韓国政府などに配慮し、米当局者は意見交換に参加しないものの、ビザ発給には前向きだったという。
だが、2月13日に正男氏がマレーシアで殺害される事件が発生。マレーシア当局が北朝鮮国籍の男性8人を容疑者や重要参考人としたほか、化学兵器にも使われるVXガスが使われたと判断した。同筋は「国際社会が北朝鮮を非難しているなか、米側もビザの発給は妥当ではないという判断に至ったようだ」と語った。
一方、米韓両国は3月1日から定例の合同軍事演習を始めた。北朝鮮が核・ミサイル開発を継続する意思を明確にしているため、今年も「史上最大規模」とした昨年並みの演習を実施する。(ソウル=牧野愛博)
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