環境省職員、除染事業の参入巡り接待か 収賄容疑で逮捕
除染を巡る贈収賄事件で、元社長が贈賄容疑で逮捕された大開工業=富山県高岡市伏木古府1丁目(車のナンバーなどにモザイクをかけています)
福島県内での除染事業参入をめぐり、業者から接待を受けた見返りに便宜を図ったとして、県警と警視庁は2日、環境省福島環境再生事務所の職員鈴木雄二容疑者(56)=同県南相馬市=を収賄容疑で逮捕した。富山県高岡市の土木会社「大開工業」の元社長小杉幹雄容疑者(63)=同市=も贈賄容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。除染事業に絡む汚職事件は全国で初めてとみられる。
捜査関係者によると、鈴木容疑者は2015~16年、飲食代など約20万円相当の接待を受けた見返りとして、大開工業が除染作業の下請けに参入できるよう、便宜を図った疑いがあるという。
同社が参入したのは、福島県浪江町を対象にした15年度の事業で、大手ゼネコンJV(共同企業体)が約470億円で受注。大開工業は2次下請けとして、約2千万円で参入した。
鈴木容疑者は、除染作業の指示、監督を担う専門職員として、環境省が15年、期限付きで採用した。
登記簿によると、大開工業は02年の設立。震災発生後の13年に宮城県に支店を置いている。
東京電力福島第一原発事故の発生で、放射性物質が広範囲で飛び散ったが、これらを除去する除染事業について政府が試算したところ、除染費用は総額4兆円に上るという。
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