兄の渡哲也さん「生い立ち思い返す」 渡瀬さん死去悼む
兄で俳優の渡哲也さん(75)は「当初よりステージ4、余命1年の告知を受けておりましたので、今日の日が来る覚悟はしておりましたものの、弟を失いました、この喪失感は何とも言葉になりません。幼少期より今日に至るまでの二人の生い立ちや、同じ俳優として過ごした日々が思い返され、その情景が断ち切れず、辛(つら)さが募るばかりです」との直筆の文書を所属事務所を通じて出した。
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俳優・寺島進さんのコメント 公私共にお世話していただいた、最も尊敬する大先輩です。武士のような人でした。今は言葉になりません。感謝、そして合掌。
TBS系「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ」の担当プロデューサー森下和清さんの話 2015年4月に放送した「シリーズ54」が最後の出演だった。最後に電話したのは今年1月ごろ。テレ朝のスペシャルドラマ「おみやさん」への意欲を語り、「医者にも良いと言われた」と話していた。男気がありスタッフにも優しかった。撮影を終えるとホテルでみんなを集めて酒を飲むなど現場を大事にする人だった。
映画監督の中島貞夫さんの話 サラリーマンをへて俳優になったせいか、変なスター意識を嫌っていた。気さくな好青年で面倒見がよく、東映京都撮影所の若い俳優たちからも人望があった。上の世代には高倉健さんら大勢の俳優がいたから、彼は必死で突っ張ってやんちゃをしていた。私が監督した「狂った野獣」では、バスを運転してひっくり返すシーンまで自分で演じた。東映に入った時から知っていて家族ぐるみでつきあっていたので、肉親を失ったように寂しい。
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