二階氏「首相と籠池氏を一緒にするな」 閣僚ら慎重発言
学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典氏が「安倍晋三首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と証言したことや籠池氏の証人喚問が決まったことについて、17日午前の閣議後の記者会見では慎重な発言が相次いだ。
首相側は籠池氏への寄付を否定している。籠池氏の証言について、鶴保庸介沖縄・北方相は「そんなはずはないだろうと思っている。首相が明確に否定している」と首相側の主張に理解を示した。石原伸晃経済再生相は「コメントする立場にない」。山本幸三地方創生相も「事実関係が分からないのでコメントのしようがない」とした。
籠池氏の証人喚問で森友学園問題の真相究明が進むか問われた菅義偉官房長官は、「政府としてコメントすべきでないと思うが、国会で説明を丁寧に行っていくことに尽きる」とだけ語った。菅氏は3日の会見で、一般論と断ったうえで、「違法性のない事案にかかる審査は慎重にやるべきだろう」と籠池氏らの参考人招致に否定的な考えを示していた。
石井啓一国土交通相は、「証人としておいでになる方には誠実に真実を述べていただきたい」と要望。丸川珠代五輪相は「何も分からないと国民の皆さんも感じていると思うので、証人喚問の時にしっかりお話をうかがい、不審があれば払拭(ふっしょく)されることを望む」と述べた。
与党は籠池氏の国会への招致には後ろ向きだったが、証人喚問に転じた。自民党の二階俊博幹事長は17日の記者会見で、「真実を明らかにしておかないと国会の権威にもかかわるし、国民が疑問を抱くことがないよう配慮をしないといけない」と説明。一方で、「我々が首相の発言を信頼するのは当たり前。首相と籠池氏を一緒にしないでください」と強調した。
これに対し、民進党の蓮舫代表は党会合で、自民党の竹下亘国対委員長が籠池氏の証言を「総理に対する侮辱」と指摘したことに対し、「首相が侮辱されたら国会に招くのか。私たちがこの問題を取り上げるのは、国有地が首相の知人に不当に安く払い下げられたからだ。間違えないでほしい」と批判。「問題は籠池さんだけではない」とも述べ、当時の理財局長らも国会に呼んで真相を解明すべきだとの考えを示した。
民進党の榛葉賀津也参院国対委員長も党会合で「今までさんざん嫌だと言ったのに、総理に火の粉が飛んだら証人喚問だと。100万円の寄付があったとすれば大問題だ」と批判した。
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