ドキュメンタリー、実は虚構? 名作に再現や再撮影も
ドキュメンタリーについて「事実をありのままに記録したもの」とイメージしている人が多いのでは? でも実は、歴史的名作でもありのままとはいえないものがあるんです。最近は、個性的な試みの作品も出ています。
そもそも、ドキュメンタリーとは何を指すのか。広辞苑には「虚構を用いずに、実際の記録に基づいて作ったもの。記録文学・記録映画の類。実録」とある。
だが実際は、ドキュメンタリーの原点と位置づけられるロバート・フラハティの映画「極北の怪異」(1922年)にも、「虚構」がふんだんに盛り込まれている。カナダのイヌイットの日常を記録した作品だが、主人公一家は、配役による疑似家族だったとされる。また、今野勉著『テレビの噓(うそ)を見破る』(新潮新書)によると、撮影に十分な光量を確保するためイグルー(氷雪の家)を半分に切ったエピソードもあるという。
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