てるみくらぶ破産、渡航中止を呼びかけ 9万人に影響も
記者会見で破産手続き入りを発表する「てるみくらぶ」の山田千賀子社長=27日、国土交通省
格安海外ツアー中心の旅行会社てるみくらぶ(本社・東京都渋谷区)は27日、東京地裁に破産を申請し、手続き開始決定を受けたと発表した。代理人弁護士によると負債は151億円の見込みで、約3万6千件(約99億円分)の旅行申込者に影響が出そうだ。
申し込みを受けたツアーなどの手配は中断し、一部の旅行代金は返せない見通し。1件に複数の参加者がいることが多く、影響を受ける旅行者は8万~9万人にのぼる可能性がある。東京都内で記者会見した山田千賀子社長は「関係者のみなさまに多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪した。ホテルや交通機関などへの支払いが滞り、申込者が利用できなくなる恐れがあるため、発券済み航空券を使った渡航は中止するよう呼び掛けている。
申込者向けの問い合わせ先は、同社お客様専用ダイヤル(03・3499・7555)か、トラブル時などに弁済を請け負う日本旅行業協会の弁済業務委員会事務局(03・3592・1252)。同社分の弁済限度額は計1億2千万円。
山田社長によると、格安ツアーのネット販売に陰りが出て、約2年前から新聞広告に力を入れ始めたが、経費がかさんで資金繰りが行き詰まった。航空券の発券に必要な航空会社側への支払いが23日、できなかったという。
てるみくらぶは24日から一部のツアー参加者に「航空券の発券ができない」などと伝え、旅行業協会に問い合わせが相次いでいた。1998年設立、資本金6千万円。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、札幌に支店がある。東京商工リサーチによると2016年9月期の売上高は約195億円。
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