雪崩から1週間、不信感ぬぐえぬ遺族も 明確な謝罪なし
現場近くの献花台に花を手向け、手を合わせる人たち=3日午前10時54分、栃木県那須町、伊吹早織撮影
栃木県那須町で登山講習中の高校生ら8人が死亡した雪崩事故は、3日で発生から1週間がたった。県警が捜査を進めているが、現場で何があったのかなど、いまだに明らかになっていないことが多い。息子を亡くした遺族2人が、それぞれの思いを語った。
今回の雪崩では、県立大田原高校の生徒7人と引率教諭1人が死亡した。県警は3日、意識不明で搬送されていた同校の生徒1人の意識が戻ったと発表した。業務上過失致死傷容疑で捜査を進めている。
講習会を主催した県高校体育連盟登山専門部専門委員長の猪瀬修一教諭らは、先月29日に記者会見を開いて経緯を説明したが、雪崩の直前に生徒たちがどこにいたのかなどの詳細は明らかにならなかった。猪瀬教諭は「こういう事態になったことを反省しなくてはならない」と述べたが、明確な謝罪の言葉はなかった。(若井琢水)
■「申し訳ありません」一言ほしい
息子(17)を亡くした父親 学校は登山を中止したと説明しているが、山岳救助隊は「あのコースを歩くのは登山と同じ」と言っていた。学校から「あれは登山でした。申し訳ありません」という一言がほしい。記者会見を見たが、不信感はぬぐえなかった。
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