「宅配便、1回で受け取りを」 再配達抑制へ国呼びかけ
環境省の「萌えキャラ」。公開された動画で、宅配便の不在通知をためている君野イマ(左)に、君野ミライが注意する(環境省提供)
政府と宅配業界などが宅配便の荷物を1回で受け取るよう呼びかけるキャンペーンを始めた。留守による再配達に伴うドライバーの長時間労働を抑えるだけでなく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素CO2の排出の増加に歯止めをかけるのがねらいだ。
環境、国土交通、経済産業の各省と、宅配や通販、コンビニエンスストア、鉄道、住宅など業界の垣根を越えた約100社・団体が、配達日時の指定サービスの利用や、宅配ボックスやコンビニ、宅配業者の営業所での受け取りを呼びかけている。環境省はネット通販をよく利用する若者向けに、萌(も)えキャラによる啓発動画を公開した。
環境省が2014年度、佐川急便が福岡県や東京都内で宅配した荷物の一部をGPSを使って追跡した結果、走行距離の25%が再配達によるものだった。年間の宅配便の荷物35億7千万個と走行距離、自動車の排出するCO2から、再配達に伴うCO2の発生は年間に約42万トンに上ると試算する。
国交省が再配達になった理由を利用者に尋ねたところ、約4割が「配達が来るのを知らなかった」と答えた。宅配業者のコミュニケーション不足も再配達の理由のひとつになっていた。
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