一線越えたトランプ政権 一気に軍事行動、ロシアを刺激
巡航ミサイル「トマホーク」を発射する米海軍駆逐艦ロス。米海軍提供=AP
米国がシリアのアサド政権軍に向けて巡航ミサイルを発射した。シリアのイドリブ県で化学兵器が使用された疑惑について、トランプ米大統領はアサド政権によるものと断定し、「一線を越えた」と非難した。今回の軍事行動は、これまでシリア内戦に対して関与を限定してきた米国も「一線を越えた」事態と言える。
トランプ政権は発足当初から、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いがシリアでの最優先事項だとしてきた。最近は、アサド大統領の退陣を求めてきたオバマ氏とは対照的に、アサド政権の存続を容認する姿勢を示していた。
だが、4日に化学兵器使用疑惑が明らかになると、トランプ氏は「憎むべき行為」と述べ、アサド政権を強く批判。アサド氏の退陣を求めてきた英仏などと共同歩調をとるだけでなく、一気に巡航ミサイル発射という軍事行動に踏み切った。
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