東芝半導体出資に「日本連合」案 技術流出防ぐ狙い
東芝が進めている半導体子会社の売却で、日本の大企業が連合を組んで出資する構想があることが分かった。経済産業省などが呼びかけて1社あたり100億円規模の資金を集め、政府系のファンドや日本政策投資銀行も活用して数千億円を用意する。だが、実現性は不透明だ。
東芝が3月末に実施した1次入札では台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が3兆円に近い額を提示して金額面で優位に立っている。一方、経産省は安全保障にもかかわる半導体技術が中国や台湾に流出することを警戒。1次入札に参加した米国系の企業やファンドに相乗りして出資を目指すとみられる。一定の出資比率を得ることで、技術流出を防ぐ発言権を持つ狙いがある。
経産省主導で財界人などから、富士通や富士フイルムホールディングスといった大企業に打診。一部企業で検討が始まった。
しかし、十分な資金を集められるかや、構想に賛同してくれる入札参加者が見つかるかどうかなど課題は多い。東芝が売却する半導体子会社の価値は2兆円ともされ、1次入札でも同じような出資構想が検討されていたが不発に終わり、日本企業の参加はなかった。
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