神ってる串の名は? カープづくしな焼き鳥屋の編成会議

写真・図版カープ鳥のメニュー=7日午後7時41分、広島市中区、上田幸一撮影

好調な滑り出しでセ・リーグ連覇を狙う広島。チーム名を冠した焼き鳥屋「カープ鳥」は、ファンが集う有名店だ。広島市内の13店舗の売りは、選手の名前を付けた串。毎年開幕前の「編成会議」で、今季のメニューに載る「1軍メンバー」を決めてきた。生き残り、返り咲き、大抜擢(ばってき)――。串の名にドラマあり。

■店長ら集まり「オーダー表」決定

「験を担いで、(鈴木)誠也は去年と同じ笹身(ささみ)でいった方がいいよ」「ジョンソンは、歴代エースのヒナ皮で」

開幕を3週間後に控えた3月7日。広島市内の雑居ビルの一室で、2回目の編成会議が白熱していた。

メニューの枠は45種類。毎年この時期、新シーズンの「オーダー表」を決めるため、店長らが集まる。

前シーズンに貢献したのは誰か。著しい成長が期待できる選手は――。議論は1時間ほど続き、牟田(むた)亮介社長(35)の一言で締めくくられた。

「このメニューで、今年も優勝を目指しましょう」

昨年の流行語大賞「神ってる」。その活躍ぶりで名をはせた鈴木誠也外野手(22)は笹身を維持。人気の急上昇とともに客から理由を聞かれるようになり、「良質の筋肉になるから」と後付けで答えるようになった。地元・広島商高出身の岩本貴裕外野手(30)は昨季27試合出場に終わったが、期待値込みで残留した。お店に顔を出してくれることが決め手となった。

一方で9種類が入れ替わった。例年、原則としてエースを充てる人気メニューのヒナ皮は、沢村賞のジョンソン投手(32)が射止めた。昨季は笹身しそ巻。本人が店で「しそ巻は得意じゃない」と漏らした。

不動のメニューもある。チームの要となる監督は心臓。猛練習で技術を練り上げた新井貴浩内野手(40)は、チーズつくねだ。

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