犯罪で得た1億6千万円、所得隠しの疑いで告発
訪問販売に悩む高齢者からだまし取ったとされる約1億6千万円の所得を隠し、約4千万円を脱税したとして、東京国税局が寝具販売会社「ビシャモン」(横浜市保土ケ谷区)と坂井寛・実質経営者(42)を法人税法違反の疑いで千葉地検に告発したことがわかった。
坂井経営者や従業員は、訪問販売で布団を買った経験がある高齢者に「金を払えば業者からの勧誘を止められる」などと持ちかけて現金をだまし取ったとして、昨年、詐欺容疑で千葉県警などに逮捕された。
関係者によると、坂井経営者は2014年4月期までの2年間、顧客からだまし取ったとされる金を従業員名義の簿外口座に入れ、売り上げの一部を除外したうその帳簿を作り、所得を少なく見せかけた疑いがある。資金は坂井経営者が競馬やカジノに使っていたという。
税法上、違法行為で得た犯罪収益も課税対象となる。うその帳簿が証拠として見つかり、口座から資金の流れを解明できたため、国税局は脱税容疑での告発に踏み切ったとみられる。
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