浅田選手、CMでも活躍 「タレント人気度」はトップ級
エアウィーヴのCMに出演した舞妓姿の浅田真央選手(同社提供)
引退を表明した浅田真央選手は、スポーツ選手にとどまらない国民的な人気で、リンクの外でも活躍を見せた。
「若い人からお年寄りまで幅広い世代に人気が高い。『風邪の人を元気にさせる』というブランドイメージと『世の中を元気にする浅田さんの姿』が合致した」。2010年から風邪薬のCMに起用した佐藤製薬(東京都)は説明する。
浅田選手の魅力は「実力」と「親しみやすさ」だと言い、「真央さんの笑顔は世界の人々を元気にする力があると感じた」。同社は今後もCMを放映し、契約への影響はないと言う。
英会話大手「ECC」(大阪市)も15年からCMに起用。「夢に向かってひたむきに努力される姿は、感動を与え続け、その活動に共感した」という。
09年12月以降、浅田選手が海外遠征に持ち歩いたのは「エアウィーヴ」(東京都)の寝具。高岡本州(もとくに)会長(56)らは翌年、浅田選手と会った。「愛用者としてのこだわり、製品への厳しい要求。そして日本の皆さんは、真央さんが好き。広告塔としての魅力を備えていた」。11年、スポンサー契約を結んだ。
高岡会長は、国内外の試合をくまなく観戦。中でもソチ五輪の「フリー」が忘れられない。「自分の演技をしたい、と語っていたが、それができ、亡くなったお母様にも見せたい演技が出来たのだろう」。割れんばかりの会場の拍手。自然と涙があふれたという。
「挑戦する姿勢は私たちが学ぶところでした」。10年度3・5億円だった年商は、15年度に120億円まで成長。高岡会長は「選手としての引退であっても浅田真央としての『生き様』は引退しない。今後も応援したい」と語った。
ビデオリサーチによると、2月の女性タレント人気度調査で、浅田選手は、トップの綾瀬はるかさん、新垣結衣さんら女優に続く第4位だ。スポーツ選手で上位50人に入ったのは卓球の福原愛選手だけだ。昨年は2位で、スポーツ選手で唯一ランキング入りした。(斉藤佑介)
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