マレーシアから留学中に被爆 皇太子さま、遺族と面会へ
皇太子さまは太平洋戦争中にマレーシアから留学中の広島で被爆したアブドゥル・ラザクさんの息子ズルキフリさん(65)と14日に対面する。ラザクさんは奇跡的に生き延びて祖国に帰り、4年前に88歳で亡くなるまで体験を語り続けた。ズルキフリさんは、父の残した平和への思いを皇太子さまと共有したいと願っている。
ラザクさんは1944年、「南方特別留学生」として広島に留学した。日本政府が当時、「大東亜共栄圏」を担う未来のリーダーを育てるために選んだ205人の国費留学生のうちの1人だった。
広島文理大学(当時)に入学した4カ月後の8月6日、爆心地から1・5キロの教室で被爆した。
爆音とともに気を失って、目が覚めた時には校舎の周りが見渡す限り平地になっていたこと。皮膚がはがれ落ち、黒こげになった路上の死者のこと。水を飲んだ人が次々に死んでいき、川に毒が入れられたと思ったこと。毎年8月6日を迎えるたびに、父は数十年前の情景を淡々と語っていたという。
ASAHI.COM