熊本地震から1年「少しでも前へ」 亡き母への思い胸に

写真・図版熊本地震犠牲者追悼式で遺族を代表してあいさつに臨む冨永眞由美さん=14日午前、熊本市中央区の県庁、日吉健吾撮影

「愛する家族を失ったあの時を思い出し、深い悲しみの記憶にさいなまれずにはいられません」。熊本県庁で営まれた犠牲者追悼式で遺族代表の冨永眞由美さん(58)=熊本市中央区=は、こう語り出した。

昨年4月14日の前震後、冨永さんは2年ほど寝たきりだった母、津崎操さん(当時89)を車の助手席に乗せて避難。夜が明けて自宅に戻ったが、16日の本震で再び車へ。福祉避難所の存在は知ってはいたが、連れて行く間の車の揺れが体に良くないと思い、近くの駐車場で車中泊した。操さんは徐々に呼吸が途切れがちになり、車で連れていった病院で息を引き取った。

日常が戻る中で気づき、芽生えた気持ちがある。近所の人の心温まる言葉やさりげない援助、新たな交流。「悲しくつらい地震でしたが、周りの人の優しさは、私の生活に希望の花を咲かせてくれました」

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