不要スマホから金メダルできた 東京五輪組織委も関心
携帯電話などから回収した金でできた金メダル(右)とその型を手にする原田幸明さん=茨城県つくば市の物質・材料研究機構
不要になった携帯電話やスマートフォンから回収した金を使い、物質・材料研究機構の研究チームが、独自のメダルを作った。
廃棄された電子機器には希少金属が含まれるため「都市鉱山」と呼ばれ、その含有率は鉱石より高いものもあるとされる。
同機構の原田幸明(こうめい)アドバイザー(65)らは、不要になった携帯電話など電子機器330台を集め、回路や接点に使われている微量の金の回収を業者に依頼。取り出された粉末状の金を溶液に溶かし、劇薬を使わない方法でメダルに金めっきを施した。表面には東京スカイツリーに桜や筑波山をあしらった。
2020年の東京五輪・パラリンピックでは、リサイクルされた金属でメダルが作られる予定。大会組織委員会は、原田さんらの取り組みについて「アイデアの一つとして参考にさせていただいた」という。
原田さんは「今回作ったメダルを見てもらえば、都市鉱山の活用がさらに広がるはず」と話している。(三嶋伸一)
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