天皇陛下、疎開先の栃木・日光を私的訪問へ 戦時中滞在

写真・図版1945年ごろ、疎開先の日光田母沢御用邸の庭で撮影された天皇陛下。宮内省(当時)が公開した

宮内庁は28日、天皇、皇后両陛下が5月17~19日、天皇陛下が戦時中に疎開した栃木県日光市を私的に訪れると発表した。天皇陛下が80歳を迎えた2013年、宮内庁が公務のあり方を検討する中で「両陛下にゆっくりと過ごしていただきたい」と始めた私的旅行の位置づけで、今回で8回目となる。

陛下は戦争末期、疎開で静岡・沼津、栃木・日光と移り、終戦時は日光湯元・南間ホテル(現在は廃業)で昭和天皇玉音放送を聞いた。当時は食糧事情が悪化し、戦場ケ原などで木の実や野草を取って空腹をしのいだという。

今回、両陛下は18日に戦場ケ原展望台を視察。南間ホテル近くの湯ノ湖周辺を散策する。19日は疎開生活を送った旧日光田母沢御用邸や、授業を受けた教室があった植物園に足を運ぶ。

日光訪問は当初、戦後70年の15年9月に計画された。戦後70年の節目での疎開先訪問となるはずだったが、茨城・栃木両県の豪雨災害が発生し、取りやめになっていた。

宮内庁関係者は「戦争を知らない世代が増える中、陛下は自らの訪問が過去を見つめ直すきっかけになれば、と思い続けていらっしゃるようだ」と話している。(島康彦

ASAHI.COM

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